日本医師会の調査によると、女性医師は35歳前後に一度離職する確率が高くなると言われています。これは一般職に就く女性にも同じように言えることですが、出産や育児を経験する過程でどうしても仕事との両立が難しくなってしまう場合があるためです。一般職に務める女性でも両立が難しいと言われる子育ては、激務と言われる医師の間ではさらに負担となってしまうのが現状です。
女性医師の離職率を年代別に見ると、20代後半で44%、30代前半で42%となっています。出産や子育てが離職の理由にならないように、女性医師の就業支援策を充実させる必要がありますが、院内保育所などの施設は未だにごく一部の病院にしか設置されていません。
こうした女性医師の離職で即戦力が必要となる医療の現場では医師不足が叫ばれています。そのため、近年問題となったような女子学生のみが医学部入試で減点されるような事態となっているのです。しかし、女性医師を減らしたところで、日本の労働人口が回復しない以上、医師不足の状態は続きます。
今いる女性医師やこれから医師の職に就く女性の離職率を下げようとする取り組みが少しずつ見られるようになりました。ある病院では、女性医師バンクを作り、夜勤負担の軽減や女性医師の勤務しやすい就労形態を整えています。ただ、共働きが主体となった現代では、夫婦間のお互いのサポートが欠かせないため、女性医師を離職させないためには、配偶者の理解も必要になってきます。
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